コラム 古陶磁 - 青白磁瓜形水注

中国 北宋時代(960 - 1126)
景徳鎮窯 高さ17.1cm

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このコラムの古陶磁カテゴリでは、中国古陶磁を毎回1点取り上げて解説していきます。
第1回は青白磁瓜形水注です。

白磁とは、白い胎土に透明釉をかけたやきもののことをいいます。それでは青白磁とは何でしょう。
青磁?白磁?それともハーフ? 上の写真をよく見てください。白がベースでやや青みがかっていませんか。そう結論からいうと、青白磁は白磁の一種と考えてかまいません。ただ透明釉が青みをおびていて、とくにくぼみになって釉がたまりやすいところは、ブルーイッシュに見えます。
古来、中国の人々はこの青く澄んだ色合いのやきものを「影青(いんちん)」と呼びならわして愛玩してきました。景徳鎮窯で焼かれた青白磁は、常に世界をリードしてきた中国陶磁の歴史においても、ひときわ高い峰を形成している宋代(960-1279)の陶磁器(宋磁)の代表的なものの一つです。
釉の美しさも重要ですが、何より形が大切です。この水注には端正さと緊張感そして気品が備わっています。900年前の高貴な人々が美酒を入れて楽しんだものと思われます。