中国 唐時代(AD618-907)
高さ18.6cm 径22.2cm
中国陶磁の長い歴史の中で、最もきらびやかな美しさを賞されるものーそれは唐三彩、といってもさしつかえないと思います。中国陶磁に興味をお持ちの方なら、一度や二度は必ず唐三彩を見たことがあるでしょう。世界中の美術館、博物館に所蔵されていて、中国陶磁の中でも最もよく知られたものの一つといえます。しかし、その存在が知られるようになったのは、わずか100年程前なのです。20世紀の初め頃、河南省洛陽付近で鉄道工事がおこなわれたときに、多くの唐墓が壊されて、莫大な量の唐三彩が発見されました。そして、世界中の学者やコレクターの注目を集め、欧米や日本などに運ばれていきました。唐三彩の大部分は副葬品で、実用品ではなかったため、この工事で大量に発見されるまでほとんど知られていなかったのです。
三彩とは三色の釉をかけたものという意味で、基本は緑と茶と白を指します。この万年壺は堂々とした形に鮮やかな三彩が施釉された名品です。