神無月晦日

10月も今日で終わり、今年も残すところあと2ヶ月となりました。「つい、この間お正月をしたのに」なんて思っているのは私だけではないのではないでしょうか?!忙しさにかまけて、このコラムもいつも月末に慌ただしく更新する習慣?になり、少し反省しています。東京は10月6日に18号、13日に19号と大型台風が続きました。両台風ともすごい勢力!との予想のわりには比較的被害が少なくてよかったです。それでも被害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
三井記念美術館で「東山御物」展、東京国立博物館で「国宝」展の各々のレセプションに行きましたが、素晴らしかったです。感動しました。10月11日と22日と続いて2回、安村敏信氏の江戸絵画の講演を聴く機会がありました。11日は東京美術倶楽部の公開美術講座、22日は東京芸術学舎の講義だったのですが、とても勉強になりました。安村さんの深く鋭い視点と何より江戸絵画に対する愛情を感じました。安村さんと私は「聴いて・見て・触る 浮世絵ナイトレクチャー」という講座を企画(国際浮世絵学会 × 日本アート評価保存協会)していて、第1回は12月1日に「忠臣蔵の浮世絵」というテーマで浅野秀剛氏(国際浮世絵学会理事長・大和文華館館長)に講演してもらいます。ご興味のある方はご連絡ください。10月17日〜19日は東美アートフェアが開催されました。3日間で5000人近い来場者があり盛況でした。浦上蒼穹堂は「原始青瓷」展と題して中国西周時代(1050-771BC)から戦国時代(475-221BC)までの灰釉陶を約30点出展しました。小品が多かったのですが大へん好評でした。特に美術館の学芸員や学者、研究者の方々がとても熱心に見ていかれ、いろいろ意見交換して有意義でした。従来の古美術愛好家の他にコンテンポラリーアートのコレクターが何点も買っていかれたり、売上も上々でした。
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10月12日、智美術館で中澤富士雄氏と川瀬忍氏の対談形式による「旅する ー 窯址探麗・美瓷麗工 ー 中国やきもの紀行」という講座がありました。掛け合い漫才のようで実に楽しく、且つためになる話がたくさんでてきました。実はこのお二人と私の3人で18年前、景徳鎮や上林湖に行った時の話や写真が沢山出てきて、懐かしいやらおかしいやらで内輪うけしてしまいました。3人とも本当に若かったんですね。講演後も余韻を楽しむように3人で語り明かしました。10月25日はその川瀬忍さんが席をもたれるというので久々に大磯茶会に行ってきました。大磯茶会も今年で10年目ということです。川瀬忍さんは茶席に新石器時代の水注や高脚杯、前漢時代の朱彩大耳盃など、まだお茶やお茶の概念がない時代のものを見事にあしらわれていて、とても開放的で健康的な空間を作られていました。中澤富士雄さんとも同席し、お酒を酌み交わして楽しかったです。もちろん抹茶も美味しかったです。