今年2014年も残すところあと2日となりました。このブログ更新をもちまして本年の仕事納めとさせていただきます。さすが年の瀬、ここ数日はめっきり冷え込みが厳しくなってきましたね。
今月の出来事を順を追って簡単にご報告します。
12月1日(月)、浮世絵ナイトレクチャー(第1回)は、国際浮世絵学会理事長・大和文華館館長の浅野秀剛氏をお迎えし「忠臣蔵の浮世絵」というテーマでお話をいただきました。さすが'忠臣蔵'のエキスパートだけあって興味深いお話をたくさん伺うことができました。その後参加者の人たちと本物の浮世絵版画(忠臣蔵を描いた)を十数点、実際手に取って触ったり、透かして見たりしました。皆さん興味津々のご様子でした。最後の立食パーティは参加者30名がそれぞれ講師の先生方に質問をしたり、和気藹々の和やかな会となりました。次回は4月を予定しております。ご興味のある方はぜひご参加ください。
12月4日(木)、東京スカイツリーSky Restaurant 634で「酒食の会」がありました。今回は諏訪の宮坂醸造の宮坂直孝さんとご子息の勝彦さんが、銘酒「真澄」を各種お持ちくださいました。すごく美味しかったです。宮坂さん父子はとっても気さくで感じの良い方で、私が長年お付き合いしている出羽桜の仲野益美さんとも昵懇の間柄で、改めて世の中は狭いと思いました。このSky Restaurant 634での「酒食の会」は今年2月獺祭、5月Perrier-Jouetのシャンパン、6月新政、9月黒龍、そして今回の真澄と5回開催されましたが、私も毎回ほろ酔い美術講義をさせていただきましたが、とても楽しかったです。宮下大輔さん、島田律子さんいつも楽しい企画ありがとうございました。料理長の牧村さんもいつも美味しい料理ごちそうさまでした。
12月6日(土)7日(日)、東洋陶磁学会第42回大会が日比谷図書文化館で開催されました。今回のテーマは「'陶磁の道'研究半世紀の歩みと展望」で、故三上次男先生が提唱された「陶磁の道」に関する研究発表が各分野の専門家から行われました。私は生前三上先生にはとてもよくしていただきましたので、大へん懐かしい気持ちになりました。少し驚いたことは、私より若い研究者の方々のほとんどが三上先生ご本人に直接会ったことがないという事実を知ったことでした。それだけ自分も歳を取ったのかなと感慨深いものがありました。
12月11日(木)、前回のブログでちょっとお話した築地の料亭「新喜楽」で春画の講演をしました。11時から約1時間パワーポイントを使って講義、その後別室で初期から後期までの春画の肉筆、版画、版本の名品を陳列、解説しました。20名を越す参加者の皆さまの反応も素晴らしく、大へん盛り上がった会になりました。「新喜楽」のご主人蒲田さんもいろいろ便宜をはかってくださり、15時半のお開きまで私も含め皆さん大へん気持ち良く過ごすことができました。日経カルチャーの大塚さんはじめスタッフの方々もお疲れ様でした。
12月18日(木)、東京芸術学舎で「日本人の好きなものは全部浮世絵に描いてある」というリレー講義(全5回)の最終回で市川猿之助さんの講義がありました。私も講師席で拝聴していたのですが、途中から司会の鈴木芳雄さんが講師陣にいろいろふってこられて、公開対談のようになりました。猿之助さんは浮世絵版画のコレクターでも有名ですが、なんと今はやきものにはまっているということで私との話に夢中になられ、インターバルの間も講演終了後も「古美術ややきものの話をもっと浦上さんとしたい」ということで随分熱っぽく2人で語り合いました。猿之助さんは自分が良いと思ったものに素直に直感的に反応される方だと感じました。そういう人は良いものを手に入れる可能性が大です。「お店にも伺ってもよいですか?」と言われたので「もちろん、お待ちしております」とお答えしました。期待を裏切らないようなものをお見せしなければと思います。
12月20日(土)、待望の「春画展」日本開催実行委員会の初会合が開催され、21名の実行委員の方々が参集されました。各分野の錚々たる方々が、春画展日本開催に向けて力強いメッセージを述べられました。詳細は来年2月以降、記者発表のタイミングに合わせて皆さまにもお知らせ致しますので、しばらくお待ちください。
どうぞ皆さま、よいお年をお迎えください! 来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。