コラム記事一覧

  • 10月5日(金)〜7日(日) " 2012 東美アートフェア " 開催

    10月5日から7日までの3日間、東京美術倶楽部で " 2012東美アートフェア " が開催されます。
    浦上蒼穹堂は、昨年と同じく4階のブース4-3に於いて中国古陶磁の優品を展示いたします。
    下の写真にもありますように、宋定窯刻花文鉢は大へん優美な作品です。一方、唐加彩騎馬美人俑(4体)と同牛車・騎馬兵士俑(2体)は約1300年前の唐時代のスケールの大きい世界を現代に伝えてくれます。「百聞は一見に如かず」、ぜひ実物をご覧ください。お待ちしております。

    開催日時
    10月5日(金) 10:00 - 19:00
    10月6日(土) 10:00 - 18:00
    10月7日(日) 10:00 - 17:00
    会場:東京美術倶楽部
    ブース 4-3

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  • 渋谷ヒカリエ「北斎漫画」展 好評裏に終了

    5月30日から6月11日まで渋谷ヒカリエ8/CUBE1,2,3で開催した「北斎漫画」展は、13日間で2万人を越す来場者があり好評裏に無事終了することができました。会場にお越しくださった方々やいろいろ応援していただいた皆さまに心より御礼申し上げます。13日間は長いようで短かったと申しましょうか、連日夜8時まで来場者が絶えずその対応に追われっぱなしでした。少なく見積もっても10%〜20%の来場者が興味深く長時間「北斎漫画」や「富嶽百景」(額装両方で132点展示)に見入っていました。数にして2000人〜4000人の人たちが北斎の作品とよい出会いを持ったということは大へん意味深いものと考えます。あらためて北斎はすごいと感じました。
    今後の「北斎」版画の展開についても計画的、構築的に進めていこうと思っています。


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  • 渋谷ヒカリエ8/CUBE 「北斎漫画」展開催!

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    浦上蒼穹堂は、5月30日(水)から6月11日(月)まで、話題の渋谷ヒカリエ8/CUBEで「北斎漫画」展を開催します。葛飾北斎の描く『北斎漫画』130点、『富嶽百景』85点(展示替えあり)を額装の状態で展示いたします。特に『北斎漫画』は1993年〜94年にかけて4つの美術館で開催された「芸術のニッポン展」に出展されたものです。摺りも状態も大へん良い作品なのでぜひご高覧ください。会期中無休で11:00〜20:00です。会場は渋谷ヒカリエ8階のCUBE1,2,3で約30坪のスペースですが中央にあるより大きなスペースCOURTで「北斎漫画」デジタルアーカイブ(凸版印刷(株)と浦上蒼穹堂の共同開発)による高精細な映像もご覧いただけます。
    会場でお会いできることを楽しみにしております。


    「北斎漫画」展 ー世界中のアーティストが注目したスケッチブックー
    会期:5月30日(水)〜6月11日(月)
    時間:11:00〜20:00
    会場:渋谷ヒカリエ(8F) 8/CUBE1,2,3
    入場無料

    http://www.hikarie8.com/cube/2012/05/post-4.shtml


  • 「Touch the 北斎漫画」を三井記念美術館にて開催しました。

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    先週末、5月18日(金)〜20日(日)に上記イベント「Touch the 北斎漫画」を三井記念美術館レクチャールームにて開催しました。これは私の『北斎漫画』初刷本を凸版印刷(株)が高精細のデジタルアーカイブ化したものを55インチの大型モニターに映し出し鑑賞してもらうこと。そして、ただ見るだけでなく、来場者が14のテーマのICカードをタッチすることで『北斎漫画』の様々なジャンルの中からテーマに沿った画像を抽出できるという仕掛けを楽しんでもらうものです。3日間を通じて600名以上の来場者があり大盛況でした。私も5月18日(金)の14:00〜と15:30〜の2回「北斎漫画の世界を読み解くワンポイントレクチャー」と題したお話をしましたが、2回とも立ち見が出るほど大勢の人が来られ、こちらも熱が入り、2回とも講演時間を大幅に延長してしまいました。それにもかかわらず講演後もいろいろなご質問やご感想をいただき大いに盛り上がりました。
    これも『北斎漫画』の持つ魅力とパワーのお陰と関係者(三井記念美術館、凸版印刷(株)の方々)と語り合いました。
    翌19日(土)は仙台市の仙台文学館で「北斎漫画の世界」という題で1時間半講演をして参りました。こちらも熱心な聴講者の方々がたくさんお見えになりました。『北斎漫画』はご承知の通り初編が発刊(1814年)されて約200年経つのですが、今なお新鮮な魅力や驚きを放ち続けています。

    来る5月30日(水)より6月11日(月)まで12日間渋谷ヒカリエ8F 8/CUBE1,2,3にて「北斎漫画」展を開催いたしますのでぜひお越しください。
    この展覧会については近日中に詳しい内容をブログでお知らせします。

  • 4/27から東京アートアンティーク/北斎特集

    アートフェア東京2012の後日談;
    週刊新潮(4月12日号)の福田和也さんのコラム「世間の値打ち」で、福田さんが「浦上蒼穹堂さんは、流石にいいものを並べていましたね。前漢の俑とか、みんな綺麗。ほかでは、あれだけのクオリティは望めない。ーーー」と書いてくださいました。福田さんとは蒼穹堂のブースで久々にお会いしたのですが、相変わらずいい感覚で美術品と接していらっしゃるという印象を持ちました。

    4月27日(金)から29日(日)まで、「東京アートアンティーク」が開催されます。以前は「日本橋京橋美術骨董祭り」という名称だったのですが、随分おしゃれな名前に変わりました。浦上蒼穹堂は、「北斎 漫画と春画」というタイトルの展観をいたします。これは1989年に新潮社から出版された「北斎 漫画と春画」という本のパクリです。というのも、私もこの本の著者の一人で、鈴木重三先生と私が「漫画篇」を、林美一さんが「春画篇」を担当し、最後に永田生慈さんが「北斎 生涯 一画狂人」という文で締めておられます。よく売れた本で、私の記憶では20刷近くいったのではなかったかと思います。その頃、私はすでにかなりの数の北斎漫画を蒐集していましたが、春画には興味がありませんでした。それが50歳近くになって春画に目覚め(ずいぶん晩生?)、10年以上経った今では春画もかなり蒐まりました。(ちなみに北斎漫画は18歳の時から40年以上蒐め続けています。)やはり北斎の才能、努力はズバ抜けていて、漫画でも春画でも見るものを引きつけます。
    今回の展示で、その魅力の一端でも皆さまにお伝えできたらと願っています。

    ちょうど4月14日から三井記念美術館で、ホノルル美術館所蔵「北斎展」も始まりました。
    私も5月18日(金)14時と15時半から2回、「北斎漫画の世界を読み解くワンポイントレクチャー」というお題で話をさせていただきます。そのことはまた詳しくこのコラムでご紹介いたします。

    是非、北斎に会いに浦上蒼穹堂、そして三井記念美術館にお運びください。お待ちしております。


    東京アートアンティーク
    2012年4月27日(金)〜4月29日(日) / April 27 - 29, 2012
    「北斎 漫画と春画」展
    江戸の浮世絵師、葛飾北斎が描いた北斎漫画と春画を同時に展観いたします。


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    会場:浦上蒼穹堂
    開催日時
    4月27日(金) 11:00 - 18:00
    4月28日(土) 11:00 - 18:00
    4月29日(日) 11:00 - 17:00

    http://www.tokyoartantiques.com/gallery/gallery_uragamisokyudo.html


  • アートフェア東京2012盛況裏に閉幕

    招待日も入れて4日間開催されたアートフェア東京2012年は、一昨日(4月1日)無事に終了しました。今年も初日から最終日まで大勢の来場者があり、私ども蒼穹堂のブースもいつも満杯の盛況でした。
    前回のブログでご紹介した歌川広重『狂歌入東海道五拾三次』(全56枚)は、「摺りも状態も大へん良いので、バラバラにするのは惜しい。」という美術館やコレクターのご意見もありましたが、おかげさまで全56枚完売しました。今回初めて本物の浮世絵版画を買われる方も多く、皆さま大へん嬉しそうにお持ち帰りになりました。
    中国の漢から唐までの陶俑の展示も、大へん好評でした。こちらの方は特に専門家や玄人筋の方々から「よくこんなに面白いものをたくさん揃えましたね。」という感想をいただきました。
    最終日の午前と午後の2回、サラリーマン・アートコレクターで有名な宮津大輔さん率いるガイドツアーが蒼穹堂のブースに来られました。ツアー参加者の方々は、宮津さんや私の話を熱心にお聞きになっていました。中にはツアー終了後、再び蒼穹堂ブースに来られた方もいらっしゃいました。
    こういった機会に、よりアートに親しんだり、思い切って手に入れて自分の生活の中に美術品を取り入れるのも大きな楽しみです。よいものは決して後悔しないと思います。


    歌川広重 「狂歌入東海道五拾三次」 (中判)より
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  • 明日からアートフェア東京2012

    いよいよ明日(3月29日は招待日)からアートフェア東京2012が開催されます。国内外130以上のギャラリーが参加し、古美術から現代美術まで時代とジャンルを超えた作品が展示販売されるので、私は常々、「異種格闘技」の世界と言っています。今回で7回目で、浦上蒼穹堂は1回目から出店しています。今回の私どもの展示内容は、中国・漢時代から唐時代まで(約2000年〜1200年前)の陶俑(人や動物の土偶)をズラリと並べます。彫刻的なその表情、姿態は現代に生きる我々にもインパクトを与えてくれます。
    毎回好評をいただいておりますUSPD(Uragami Sokyu-do Prints Department)部門は、歌川広重のオリジナル浮世絵版画「狂歌入東海道五拾三次」(全56枚)を展示いたします。大へん摺りのよいものを、掛けやすいように額装してありますので、ご期待ください。
    会場(ブースB09)にてお待ちしております。


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    俑頭(H.9.8cm〜11.3cm) 中国 漢時代(206BC〜AD220)


    会場: 東京国際フォーラム地下2階 展示ホール1
    ブースNo.B09

    開催日時
    3月30日(金) 11:00 - 21:00
    3月31日(土) 11:00 - 20:00
    4月 1日(日) 10:30 - 17:00

    http://www.artfairtokyo.com/

  • あと1ヶ月ほどでアートフェア東京

    前回のコラムでご紹介した『芸術新潮』2月号大特集「春画ワールドカップ--浮世絵vs世界のエロス」は大好評だったようです。担当編集者によれば過去一年間の『芸術新潮』ではだんとつトップの売り上げで、アマゾンでも全雑誌中で上位にランクされたそうです。春画に対する関心がだんだん深まっているんだなぁと感じます。もちろん全ての美術品がそうであるように、春画にもピンからキリまであり、上質のものを鑑賞の対象に選ぶことが肝要です。ドイツ在住の日本人女性アーティストからは「日本の春画には右に出るものがない、と満足して拝見致しました。同時に巧みな絵師たちにライバル意識を燃やしています。」というコメントが届きました。

    あと1ヶ月ほどでアートフェア東京が開催されます。昨年は大震災の影響で7月末の開催になりましたが、今年は例年通り3月末に行われます。今回は規模を拡大し、東京国際フォーラム展示ホール全面を使用するそうです。
    プレイベントとして去る1月27日から2月19日までの3週間『アートフェア東京×ジャパン・レストラン・ウィーク』が催され、浦上蒼穹堂も原宿のRestaurant-Iに於いて、食とエコに関係する中国古陶磁を10点ほど展示しました(写真)。その間、食事を楽しみながらアート談義を楽しむ会などがあり、参加者にも好評でした。

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    3月30日(29日は招待日)から4月1日の本番では、古代中国陶瓷や俑(土偶)などを中心に、造形を楽しんでいただける展示を心がけたいと思います。ぜひご来場ください。

  • 『芸術新潮』 2月号特集「春画ワールドカップ」

    芸術新潮2012.2.jpg本日発売の『芸術新潮』 2月号の特集は、「春画ワールドカップ--浮世絵vs世界のエロス」です。
    優勝候補の筆頭は日本の浮世絵春画で、中国、インド、トルコ、ペルー、古代ギリシャ・ローマそしてヨーロッパと多彩なエロティックアートが紹介されています。
    私も浮世絵春画の部で全面協力しています。フランス文学者の鹿島茂さんと上方風俗画研究者の山本ゆかりさんがゲストとして浦上蒼穹堂を訪ね、歌麿の「歌満くら」や北斎の「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」などを三人で鑑賞しながら、春画談義に花を咲かせています。
    性を主題とする美術は古今東西に普遍的な存在です。にも関わらず、それらを抑圧する傾向は多くの文化で見受けられてきました。日本においても明治時代後期以降、春画はタブー視されてきました。しかし近年、特に西欧において日本の浮世絵春画は広くその芸術性を認められつつあります。17,8年前より日本国内でも春画の位置づけを再考する動きが見られるようになってきました。美術の世界だけでなく、日本社会や文化の歴史をより正しく理解するため、春画をタブーとする意識を取り除くことが大切だと思います。
    『芸術新潮』の鼎談は以下のような私の愚見で締めくくられています。
    「蔵に入れておくと火除けになるとか、戦場で身に付けていると弾除けになるとか、昔から春画の効用がいろいろと言われてるんですが、その中に鬱を払うというのもあるんですよ。今、日本国中鬱だから展覧会もぜひ実現させてもっと春画を見てもらい、みんなに元気になって欲しいですね。」
    よろしければ、ご覧になってください。

  • 本年もいろいろ有難うございました。

    本日12月29日(木)夕方で今年の仕事納めとさせていただきます。

    本当にいろいろなことがあった一年でしたが、それも世界のあちこちで驚くようなことや不安になることがたくさん起きました。悲しくて辛いことでは、日本の東日本大震災や原発事故はその最たるものと言えるかもしれません。ただ悲観ばかりしてはいられません。閉塞感に覆われている感のある日本ですが、政治や経済の動向に不満や不安を抱いているだけではしょうがないと思います。新しい年に向けて自分たちができることからちゃんとしっかりやっていこうという気持ちが大切ではないでしょうか。各々の人が各々の得意分野でプロフェッショナルな仕事をしていけば、まだまだ日本や日本人は世界で高い評価を得られると思います。私も微力ながら、美術・文化面で世界に向けて魅力的なことを発信していければと考えています。美術の世界に38年間身をおいて、学んだことや蓄積したこと良いと思ったことなどを何か形にして、ご提案したり発表できればと思っています。拙速はいけませんが、いつまでも先送りでは何事も前へ進みません。アクションを起こせば、そこからまたリアクション効果というか、何か新しいものが生まれるきっかけになるかもしれません。それらの具体的な内容については、またこのコラムでお伝えしていこうと考えています。

    どうぞ皆さま 良いお年をお迎えください。